水処理会社:荏原インフィルコ

私は大学を卒業すると、荏原インフィルコという水処理会社に入りました。(後に株式会社エバラに合併)入社面接で、面接官が「どうして我が社を選んだのですか?」と質問されて、「水が好きだから」と答えたのを覚えています。同期には大卒の男子8人が居ました。ところが、他の7人は内定が降りていましたが、私はペンディングとなっていました。人事部長が「貴方だけまだ決まっていないんです。理由は貴方が在学中に2年間休学してキリスト教の宣教師として働いて居たという特殊な経歴にあります。「皆と協調が出来ないのではないか?」という人達がいるんですよ」と言って困った様子でした。

これに対して私の口からは自分でも驚く言葉が飛び出しました。「私だったら、・・・取りますね!」
ビックリした顔をしている部長に言いました。「だって、会社の規則に試用期間3ヶ月とありますから、その規則通り3ヶ月間様子を見られれば良いわけです。そこで、ああこの人はとても協調できないとなったら、辞めてもらえば良いわけです。私はごちゃごちゃ言いませんので。」と。 そしたら、明るい表情になって、「それもそうだね!では内定ということに致します」となりました。人事部長さんの困惑も理解出来ましたが、でも太っ腹に私の逆提案を受け入れて頂いた事に感謝しています。振り返ると宣教師に出るときも、帰ってからの就職に際しても、大きな力の存在を感じずには居れません。

技術部の新入生歓迎会で

入社してすぐに、「技術部」に配属されました。上下水道の水処理装置の設計が主な仕事です。先輩達はとても親切で、丁寧に指導してもらいました。お昼休みには将棋にのめりこみました。アマチュア初段から2段程度の棋力で、何人か参加していました。負けた時は特に何で負けたのか?トイレでその時の最善手を考えていました。 そのうち「技術部新入生歓迎会」が開かれました。60人程度でお座敷に上がりました。私は酒は飲みませんが、楽しくやっていました。そのうち、部長さんが新人に杯を回す時間になりました。同期5人の友達が次々に杯を飲み干していました。最後に私の番になりました。

部長は、笑顔で杯を私に渡してから注ごうとしました。私は「ありがとうございます。お気持ちはありがたく頂きます。しかし、私は宗教上の理由で頂きませんので、申し訳ございません」とお断りしました。すると、部長の表情が険しくなって「俺の杯が受けられないというのか君は?」と言って来ました。「申し訳ありませんが」と重ねて断りました。部長は面白くなさそうに、向こうに行きました。

新しい部長の着任

致し方ない・・そうは思って居ても、新入りが上司の部長にたてついたこのことは、さすがに心にかかりました。同期の友達は「俺は酒が駄目なんだけど断れなかった。あんたを尊敬するよ」と言ってくれましたが。・・・・その後2週間経って、社内辞令が発表されました。そしたら何と、件の部長が子会社に異動になって居ました。これには驚きました。新しい部長はおおらかで、お酒の無理強いとかは全くやりません。とてものびのび働くことが出来ました。この新部長が話してくれた面白い話があります。

「私がこの会社で新人のとき、会社の年商は20億程度だった。7億のプラントを受注して浄水場の設計をやった。大きな機械を作ったんだけれども、私の設計ミスでその装置が高さ2m短く作ってしまった。
社長、重役は青くなって右往左往していた。誰も私を怒らない。だから、ミスは小さいと怒られるけれども、大きなミスだと怒る気力も無くなる。だから、やるんならでかいミスをするんだ!」と盛り上げていました。たいしたものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました