カタール・ドーハ下水3次処理施設の「塩素消毒設備」では米国ニューヨーク市の企業の装置を使うことになり、イギリスのコンサルタント会社の社員と共にニューヨークに行きました。さすがは、ニューヨークで個性の強い熱意をあちこちに感じました。また、危険な臭いの強い街でもありました。塩素消毒の装置と会社に訪問したところ、営業担当者が歓迎してくれまして、自宅に夜は招待してくれました。そして、「これからニューヨークシティバレエの公園があるので観に行きましょう!」と言ってくれました。私はその接待のスマートさに感心して喜んで同行しました。バレエの舞台を観るのは初めてでしたので、何もかもが新鮮でした。特にテレビで観ていたボリショイバレエ等とは大きく違うのが、その団員の構成でした。私は自分の偏見から「バレエ団というのは、スリムな人達の集まりで、白鳥の湖の舞台写真のような均一なグループだろう」程度に考えていました。色白でスマートな人達の集まりだと思っていたからです。ところがバレエの演舞が始まるとあっけにとられました。まるでプロレスラーのような太い身体、黒人の人々、ずんぐりむっくりの体型の人達、・・これまでの私の思い込みとはまるでかけ離れた実際の団員が、力感あふれる感動的な舞台を造っていました。「見た目がどんなであろうと、素晴らしい演技は出来るんだ!」とそれは深い感動に包まれました。この日接待をしてくれたこの塩素消毒設備会社の営業マンに深く感謝をしています。というのは、もし、このニューヨークシティバレエの公演に行って居なければ、後に開発することになる電子水装置サイクルイオンは恐らく誕生してはいなかったからです。
長女が「バレエを習いたい!」と言い出した

アメリカから帰国してしばらく経つと、当時小学2年生だった長女が「お友達の通っているバレエ教室に行きたい!」と言い出した。焼津市にある「泉バレエ教室(現在は泉バレエスタジオ)」に行きたいとのことでした。その頃静岡県の吉田町に住んでいたので、大井川を越えれば教室はすぐだったので、「良いんじゃ無い?やりたいんだったらやらせたら?」と妻には話しました。ところが、思わぬところから反対意見が出て来ました。妻のお母さんからでした。彼女は若い頃日本舞踊を習っていて、踊りには理解があるはずなのに?・・・おばあちゃんの主張はこうでした。「バレエは、手足が長くてスラリとした体型の人がやるものよ。あなたのように背も低い人がやってもダメな踊りなのよ!」この話を聞いて真っ先に浮かんで来たのがニューヨークシティバレエの舞台でした。身長?体型?それがどうした?あの舞台の人達は全くそんな点にはとらわれずに人々を感動の渦に引き込んでいました。あの舞台を観ていなければ私もたじろいだと思います。でも、ハッキリとこう言えました。「やりなさい!おばあちゃんが何を言っても気にしないでやりなさい」と。それから毎週泉バレエ教室に妻が娘を送迎する事になりました。そしてこの事が「電子水装置サイクルイオン」の開発に直結することになりました。

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